【酢飯】第4回文学フリマ京都感想

 文フリ京都当日、米騒動Tシャツを着て、お米粒っぽいネイルをしてもらってた酢飯です。
 今回の合同誌に2019年の6月頃から約半年間ほどかかりっきりだったので、それが無事に終わってホッとしつつ、抜け殻になっています。

 友人たちと「合同誌作ろう!」という話になったのは、私が軽率に「次の文フリに出す本、合同誌にすれば私の書く量少なくて済む……」と零したことに起因します。
 元々、物作りに対して積極的な面々が集まっていたので、総ツッコミを受けたあとトントン拍子に話が進んで気がつけば文フリに申し込んでいました。

『小さな人のゆめ』について

 今回発表した『小さな人のゆめ』は、以前「即興小説トレーニング」さんで書いた物語のリライトです。
 ランダムに提示されたお題は「失敗の巨人」、必須要素「なんでやねん」、制限時間は一時間のなかで書いた1100字ほどの掌編でした。
 巨人族の生まれなのに他の家族のように大きくなれない主人公が、自分の居場所を求めて〈小さな人〉の元へ旅立つ。そして自身の「失敗」に気がつく。
 そのあらすじ自体は変わっていませんが、「なんでやねん」と呟いて終わっていた彼の物語をもう少し先へ進めました。
 12000字程度という制限があるにも関わらず、「三幕構成で……幼年期と青年期とその後の話とか……」と設定だけこねくり回して立ち止まり、提出期限は目前。
 鮭卵さんの「今回は第一部完! にして続きは次回の合同誌か個人誌に載せろ」というありがたい御言葉のおかげで、無事に合同誌に間に合いました。
 本来の第一部部分が今回の作品なのですが、書き上げてみるとここで幕を下ろしておいた方が物語として綺麗だなあと思ったり。

 とりあえず自作品の振り返りはこのあたりにして、以下には合同誌の作業環境とかデザイン周りのこぼれ話を。

作業環境

 個別に書いた原稿をメンバー間で回し読みして推敲する、という必要が生じたので、Googleドキュメントにそれぞれの原稿をアップロードしていました。
 これがけっこう良くて、Googleドキュメントには通常の「編集」モードの他に、「提案」モードがありまして。
 ドキュメントの内容は変えずに、部分部分へのコメントを挿入したり、誤字の書き換えができます。
 その提案をドキュメントのオーナーが受け入れると、「了解」ボタン一つで誤字の書き換えや不要な文章の削除ができるという。
 インターネット環境とGoogleアカウントがあればすぐにできるので、みんなで通話しながらリアルタイムでわいわい添削してました。
 その他のサークル支出金の管理や提案企画管理なんかもGoogleさんに頼りまくったので、本当に感謝しています。

カバー・表紙などのデザイン

 イラストは全面的に赤身さんのお力です!
 酢飯はそのイラストを頂戴したり、「なんか……こう……良い感じの枠とかほしい……」ってふわっとしたことを言って、赤身さんが爆速で願いを叶えてくれたりしてました。感謝。
 そして私が調子に乗って量産する案に的確な軌道修正を与えてくれたり、原稿をやれとハッパをかけてくれた雲丹さんと鮭卵さんにも感謝。

 その素材を惜しみなく使い、酢飯が文字入れとか配置とか諸々した『SEA FOOD BOWL vol.1』のカバー&カバー下表紙がこちらです。

素材がいいので、どうやったってかわいい。
いいものが出来上がったなあ、と日々眺めてはニマニマしています。
これがベストの状態なのですが、ここに至るまではそこそこ長い道のりがありました。
いや、まあ、赤身さんが爆速でイラストを供給してくれるので、楽しくなって私が勝手に色々作っちゃったんですけど(原稿からの逃避とも言う)。
以下は、そんな没カバー案をば。

赤身さんから頂戴したカバーイラスト案①

それを受けて私が量産したカバー案

 並べると、スキルアップの軌跡が見えますね。

 ですが、赤身さんからイラストをもらって案を量産したのは9月のこと。みんなの原稿が一通り出来上がったのは11月末でした。
 その間に、実際の収録作品の雰囲気ならもっとクラシックな感じの方がいいかも、という話になったんだったか、赤身さんが新たなイラストを投下してくれたからだったかは曖昧なんですが、とりあえず現行のカバーイラストが新たに提供されました。
 「某青い子供向け文庫みたいにしよう!」という方針はけっこうすぐに固まって、あんまり寄り道せずに決定稿が出来ました。
 カバーデザインが出来上がったあとも、当日用のポスターとか、Twitter宣伝用の画像だとかを赤身さんのイラストを拝借して色々作らせてもらえて……楽しかったですね……!

 あとは、これはあんまり使わなかったんですけど、ワードクラウド風のとか(この時は文字詰め詰めのやつが作りたい期だった)。

 文字書くよりフォント選びと文字入れと配置してる時が一番楽しいので、完全にご褒美ステージでした。ありがとうございました。
 こんな感じで出来上がった合同誌第一弾『SEA FOOD BOWL vol.1 海のどんぶり』は、電子書籍版も配信中です! よろしくどうぞ!!
「SeafoodBowl vol.1 ~海のどんぶり~」電子書籍info

 9月の文フリ大阪にも、鮭卵さんと合同でスペース取って個人誌出す予定です。そして来年の1月?には京都でまた合同誌を。
 ……腑抜けているヒマが……見事にないですね……! がんばります!